FT-101はヤエスから1970年に発売されてから、1973年にFT-101B,1975年にFT-101E,FT-101ES,1979年にFT-101ZDが順次発売されました。
後に1973年に発売されたトリオのTS-520と並んで1970年代を代表するHFの銘機として並び称されました。
FT-101は138,000円
FT-101Bは149,000円
F101Eは176,000円
FT-101ESは129,800円
FT-101ZDは169,800円
トリオのTS-520が採用しなかった27MHz帯とAMモードを搭載したことにより、
CBユーザーにも爆発的に売れ行きを伸ばしました。
同様の理由で輸出も好調で、ヤエスの経営基盤の安定に寄与しました。
本格的に半導体化しながらも高周波電力出力はテレビ用の水平出力真空管6JS6で、前段にも12BY7Aという真空管が採用されました。
以後ヤエスのHF機には6JS6,6KD6といういわゆるテレビ球が多用されました。
当時はまだハム用で電力増幅用に使えるトランジスターがありませんので、ドライバー段、終段に真空管を使用しました。
この事はトリオのTS-520も同様です。
ただトリオはナショナルの送信管であるS2001を採用しました。
この辺は設計者の感覚によるものだと思われますが、コスト面も影響しているものと思われます。
それでもほとんどのトランジスターが使われている”というだけで、目新しさを追うハムにとっては関心は高かったと思います。
外観も、それまでのハム用通信機と違ってFT-101はコリンズのSラインやKWM-2に似た色をしていました。
回路構成も斬新でした。
コリンズのKWM-2にはない電源回路、クラリファイヤー回路を内蔵させ、RFタイプのスピーチ・プロセッサーも内蔵されていました。
基本的にはKWM-2を真似た回路構成でしたが、CWフィルターも内蔵できるなど、KWM-2とはちょっと違った機能もありました。
外部機器も、スピーカー、モニター・スコープ、リニア・アンプなどを揃え、Sラインに対抗していました。